2020年1月6日月曜日

鉄道乗車レポート イタリア編 第2回 ETR500


イタリア編第2回目はトレニタリア (旧イタリア国鉄)の看板特急ETR500電車を紹介します。

イタリア編第1回はコチラ

トレニタリアの運行する高速列車は2つのブランドがある。一つは高速新線を利用した最速達列車Frecciarossa(赤い矢)、今一つは振り子式車両を用いた在来線での高速列車Frecciargento(銀の矢)と呼ばれている。

ETR500はFrecciarossaとして高速新線を時速300km/hで走る事を目的とした列車である。営業開始は1995年(日本で500系新幹線が営業運転を始めたのが1997年)で、第1回で取り上げたETR575や後継のETR400電車が登場するまで長らくイタリア最速列車の地位にいた。

後継のETR400電車

ETR500は3つのタイプの営業列車がある。
・ETR500 初期車(直流電化タイプ)
・ETR500 (交流・直流両対応タイプ)
・ETR F 500 (フランス乗入れタイプ)

現在、Frecciarossaとして営業運転をしているのは交直対応タイプのみ。これはイタリアの高速新線が最初に建設された区間は在来線と同じ直流電化だった為、初期車は直流にしか対応していなかった。しかし直流電化は在来線の電車がそのまま乗入れる事が出来る反面、直流電化は大電流を必要とする高速列車には向いていなかった。日本の新幹線を含む世界中の高速列車が交流電化を採用している。
以降、イタリアで建設された高速新線は交流電化となった為、初期のETR500は客車を交直タイプのETR500に明け渡し現在は在来線で旧型客車を牽引している。


InterCityを牽引するETR500初期車
編成の反対側は制御客車

因みにフランス乗入れ編成はフランス乗入れ計画そのものがフランス国鉄の労働組合により破綻してしまった為、トリノオリンピックの臨時列車に使用された後は検測車及び通常のETR500に戻す改造を受けて形式が変更されている。

諸元


運行会社:トレニタリア 
車両タイプ:動力集中式高速列車
製造メーカ:Trevi
製造年:直流1992-2007、交・直流2000年〜
編成:機関車2両+客車12両 (2019年時点)
最高速度:360 [km/h]
軌間:1,435[mm](標準軌)

外観



車両のデザインは試作車から最終量産車までイタリアを代表するスポーツカーFerrariのデザインを担当している老舗デザイン会社ピニンファリーナによるもの。

車内インテリア



ETR500の座席種類は5種類。
二等席以外は食堂車営業時に利用する事ができる。

・エグゼクティブ:最上級クラス、駅でのラウンジ利用可
・エグゼクティブ個室:1編成2部屋しか無いプレミア席、ラウンジ利用可
・一等:ドリンクサービス有
・二等プレミアム:ドリンクサービス有
・二等:サービス無、食堂車利用不可

今回は一等席を紹介する。

座席



欧州で一般的な集団見合配置だが、中央2列シートのみコンパートメントとなっている。
シートは本革製、電動リクライニング機構付き。座面が沈み込むクレイドル式となっている。リクライニング角は115°。また、机には電源コンセントと窓のシェードを動かす為のスイッチが設けられている。

肘掛に電動リクライニング機構のスイッチがある

車内表示器



車内表示器は欧州でも近年増加中のLCD車内表示器。車端部だけでなく車両中央部にも設置されている。運行情報やニュース、広告等の表示は日本と変わらないが、飛行機の様に地図上の走行位置及び速度表示が表示される。


ドリンクサービス



一等車に乗車の際はウェルカムドリンクのサービスがある。お好きなドリンクとお菓子を頂く事ができる。また、イタリア語しか無いが新聞の提供も行っている。

あとがき


今回は乗車時間が短かった為、急ぎ足となってしまったが、次回乗車した際に食堂車のレポートなどの追加レポートを行いたいと考えています。


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