2020年1月24日金曜日

鉄道乗車レポート イギリス編 第5回 Class395


シリーズ第5回目となる今回は日本の日立製作所が生んだClass395を解説する。
Class395は日立製作所が欧州市場参入への足掛かりとなった車系だ。この車系での成功が無ければ今日の日立レイルヨーロッパは無かったと言えよう。

この車両はHigh Speed 1 (HS1)と呼ばれる高速新線を利用した近郊特急向け車両として開発された。HS1は長年問題になっていたユーロスターの英仏海峡-ロンドン間の所要時間短縮を目的に建設された高規格路線となっている。元々ユーロスターの開業時(1994年)から計画はあったのだが、イギリス国鉄が破綻、民営化されてしまった為、計画は遅れに遅れ開業は2009年まで伸びてしまった。

諸元


車両タイプ:動力分散式近郊型電車
製造メーカ:日立製作所
製造年:2007年〜2009年
編成:6両編成
最高速度:(高速新線) 225 [km/h], (在来線) 160[km/h]
制御方式:IGBT素子VVVF制御インバータ
軌間:1,435[mm](標準軌)

先頭形状



先頭形状は新幹線の設計で得られたトンネル進入時の騒音対策を考慮した設計となっている。しかし、2000年代初頭に欧州で制定された衝突事故を想定した安全基準に合格する為、衝撃吸収ブロックを左右に配置している。

車内インテリア




先頭形状が高速車両を思わせる流線型のフォルムから以前取り上げたClass800の様な長距離特急の様な車内を想像した方も多いかもしれない。しかし、Class395は高速新線を走るとはいえ、あくまで近郊型電車、車内インテリアは最低限の物となっている。第1回で取り上げたClass387に近い装備となっている。

車内表示器



三色LED1段、表示色はClass800のグリーンではなくアンバー。車内表示器は一般的なドア上や妻部ではなく、車両中央の天井に設置されている。

あとがき


今回は日立製作所が欧州市場へ参入するきっかけとなったClass395を取り上げた。高速新線を利用した都市間交通は非常に便利で快適だ。他国から大きく遅れを取ったイギリスの高速鉄道網が今後どの様に発展していくのか楽しみだ。


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