2020年1月13日月曜日

鉄道乗車レポート イギリス編 第4回 Class332 ヒースローエクスプレス


久しぶりとなるイギリスの鉄道事情をお伝えするこのコーナー。今回はロンドンの空の玄関口ヒースロー空港と映画パディントンで有名なロンドン パディントン駅を結ぶヒースローエクスプレスのClass332を紹介する。

この列車はCAF(スペイン)とシーメンス(独)によって1998年に製造されたヒースローエクスプレス専用の車両。しかし、将来的にヒースローエクスプレスの運営会社は一部路線を共用しているグレートウエスタン鉄道(GWR)に取って変わる予定で、GWRと車両の統一をする為に第1回で取りあげたClass387に置き換わる予定だ。

イギリス編 第1回 Class387

諸元


車両タイプ:動力分散式近郊型電車
製造メーカ:CAF、シーメンス
製造年:1998年〜
編成:4両編成、5両編成 (併結運転可能)
最高速度:161 [km/h]
軌間:1,435[mm](標準軌)

車内インテリア


一等席



一等車は編成の端部に半室だけ存在する。
イギリスの一般的な一等車の座席配列は長距離列車が2-1、近距離列車が2-2に対し、Class332は破格の1-1配列。
恐らく大きな荷物を手元に置く事ができる様にとの配慮だと思われるが、あまりに通路が広くて座席に座ってみると少し落ち着かない。
乗車時間はわずか15分なので利用者はブリットレイルパス等のフリーパスを持っている人かビジネス客が多い印象だ。

二等席、共用スペース




車内表示器

車内表示器は運行情報を示す三色LED1段の表示器と広告やニュースと言った情報表示を行うLCD表示器の2種類が存在する。

三色LED1段表示器(運行)
LCD車内表示器(情報・広告)

室内灯



キャビンの照明はLED間接照明とダウンライトによる複合照明。これは間接照明の欠点である通路部の照度を補う物と思われる。


ドア付近のエントランスはヒースローエクスプレスのコーポレートカラーである紫を基調としたデザイン照明を配置し高級感を演出している。

シート



シートは集団見合い配置の固定式クロスシート。配列は2-2を基本とし一部2-1となっている。前席背面にはカップホルダー、充電用コンセント、車内誌の入ったシートポケットがある。背面テーブルは存在しない。

車内誌



シートポケットには飛行機の様な車内雑誌が提供されている。こういったサービスがいつまで続けられるかは不透明である。

コンセント



モバイル機器の充電用コンセントが前席の背面若しくは側面の壁に設置してある。適用プラグはイギリスで一般的なBFタイプのみとなっている。

荷物棚



空港へのアクセス特急の為、ドア付近には大きな荷物を収納する荷物棚が存在する。しかし、混雑時にはすぐにスーツケースで溢れてしまう。

総括


今回取りあげたClass332はヒースローエクスプレス専用列車と言う事もあって他の車系には見られない装備やデザイン構成となっている。ヒースロー空港とパディントン駅を結ぶルートはロンドン市交通局のTFRが走っているが、乗車時間が1時間でダイヤが毎時1本の為、使い勝手が悪い。TFRより約£10程高くなってしまうが、本数が多く(毎時4本)速い(乗車時間15分)のヒースローエクスプレスは非常に便利だ。


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