2019年12月21日土曜日

鉄道乗車レポート イギリス編 第3回 Class 221 スーパーボイジャー


このコーナーも今回で三回目。今回は非電化路線を幹線からローカル線まで幅広く活躍するClass 221スーパーボイジャーを紹介する。
(撮影時の運行会社ヴァージントレインは2019年12月9日をもって運行を終了した為、サービスや装備が既に変更している可能性あり)

この列車はボンバルディア社が2000年代初頭に生産した車体傾斜装置を搭載した特急形気動車。登場当初は全車がヴァージントレインに所属していたが、2019年12月現在ヴァージングループに変わって経営権を獲得したアヴァンティ(Avanti West Coast)とクロスカントリー(Cross Country)にそれぞれ所属している。

諸元


車両タイプ:動力分散式特急型気動車
製造メーカ:ボンバルディア
製造年:2001年〜2002年
編成:4両編成、5両編成
最高速度:201 [km/h]
軌間:1,435[mm](標準軌)

車外表示器




三色LED4段の表示器が片側1個ずつ設置されている。前回紹介したクラス800同様、同車系も増結運用がある為、号車(Coach)記号を表示している。

ネームプレート



イギリスの特急車両には蒸気機関車時代からの慣しで編成ごとに名前を付ける伝統がある。かつてヴァージンに所属し西海岸本線を走っていた列車には写真のような鉄製のネームプレートが先頭車両に掲げられている。

写真の列車(104編成)はイギリス海軍将校で北極圏の探検家だったジョン・フランクリン卿の名前がつけられている。ジョン・フランクリンは1845年の北極海遠征にて命を落としている。船の行手が氷に閉ざされ、缶詰の半田が内容物に溶け込んだ事による鉛中毒と寒さによって悲惨な末路を辿ったフランクリン隊の最期は多くの文化的作品に影響を与えている。

車内インテリア




座席



他の特急車と同じく、集団見合配置の固定式クロスシート。足を組むのも難しい程シートピッチが非常につめられている。足元の狭さではLCCといい勝負が出来るかもしれない。
コンセントは窓側座席の壁にイギリスでは一般的なBFタイプが一個設置されている。

座席予約表示



イギリスの鉄道は任意予約制のため、荷棚に設置された表示器で座席の予約状況が表示される。尚、指定区間外であれば座席を指定していなくても利用が可能。JR東日本が特急ひたち等で実施している任意指定制と同じシステムだ。

車内表示器



3色LED1段の表示器が妻部に設置されている。

室内灯



直管型LEDを用いた間接式照明とダウンライトを組み合わせた車内照明となっている。光の色は電球色、明るさは今まで乗ってきた鉄道の中でも上位に来る暗い印象を感じた。インテリアを含め飛行機の機内デザインに近い印象を感じた。

読書灯・荷棚灯



読書灯及び荷棚灯は荷棚パネル内に完全に格納されており、読書灯のスイッチも凹凸のないボタン式を採用している。こちらのデザインもどこか飛行機のオーバーヘッドキャビンを連想するような印象だ。

総括


今回取り上げたスーパーボイジャーはイギリスの鉄道車両の近代化に貢献してきた。しかし、製造から約20年が経過しており、近い将来前回紹介したクラス800に置き換えられる予定だ。


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