2019年12月12日木曜日

IWM-DUXFORD ダックスフォード帝国戦争博物館



記念すべき第1回目の投稿はイギリス、ケンブリッジシャー州にあるダックスフォード帝国戦争博物館をご紹介します。



イングランド東部に位置するケンブリッジには全長1kmにも及ぶ広大な敷地と滑走路を有する博物館が存在する。二度の大戦においてイギリス空軍及びアメリカ陸軍航空軍の基地として利用された同地は現在では博物館として利用されており、黎明期の飛行機から現用機に至るまで幅広い航空機を展示している。広大な敷地に展示された展示物は1日でその全てを見尽くす事が出来ない程。
 主に航空機の展示がメインではあるが、Land Warfare館には戦車や装甲車といった軍用車及び大砲が展示されている。

アクセス

公共交通機関を使用する場合、曜日によってルートが異なる。


 ・月曜日-土曜日の場合



ロンドンからはリバプールストリート(London Liverpool Street)駅から列車に乗って約1時間。
ホイットルズフォード・パークウェイ(Whittlesford Parkway)駅で下車。
駅前の通りを西に6分程歩き、'Station Road West'バス停から7A系統のバスに乗車し、'Imperial War Museum Hangar 1'にて下車(約9分)

日曜日の場合




ロンドンからはKing's Cross, St. Pancras, London Bridge, Liverpool Street等のターミナル駅から列車で1時間。ロンドン郊外に位置するスタンステッド空港からは直通列車で30分。
ケンブリッジ(Cambridge)駅で下車。

'Cambridge Railway Station (Stop 7)'バス停からバス132系統のバスに乗車し、'Imperial War Museum Hangar 1'にて下車(約31分)


①ケンブリッジ駅の改札口を出ると、右手にロータリーがある三叉路となっている。駅を背にして左側(南方向)に歩いて行く。


②約1分程道なりに歩いて行くとStop 3のバス停が見えてくる。


③IWMダックスフォードへ向かう132系統の路線バスはここから発着している。(毎週日曜のみ)



④運賃は先払い式。運転手にIWMに行きたいので往復チケットが欲しい事を伝え、運賃を現金で支払う。往復:£4 (2019年現在)



⑤乗車時間は30分程、バスは博物館のエントランス前に到着する。


各ルート詳細は博物館の公式サイトへ
https://www.iwm.org.uk/sites/default/files/files/2018-11/Getting%20to%20%20IWM%20Duxford_0.pdf )※他サイトに飛びます

営業時間


夏季(3月中旬〜10月中旬):10:00〜18:00
冬季(10月中旬〜3月中旬):10:00〜16:00

※休館日は公式HP

入場料


2019年12月現在、入場料は下記のように設定されています。(一部抜粋)
( )内はオンラインで購入した場合の値段

一般(16才〜59才):£20 (£18)
子供(5才〜15才):£10 (£9)
※5才未満は無料
シニア(60才〜)、学生、障害者:£16 (£14.40)

上記以外にもファミリー割引や年間会員(IWM Member)等もあるので詳しくは公式HPを参照

マップ

引用元:https://www.iwm.org.uk/media/2203

1Air Space館




エントランスを抜けると左手に大きな銀色の格納庫が見える。この建物が当博物館のメイン展示場であるAirSpace館。第一次世界大戦で活躍したDH.9から第二次世界大戦においてドイツ軍のダムを攻撃した事で一躍有名になったアブロ ランカスター、フォークランド紛争において活躍したアブロ バルカン、世界初の超音速旅客機コンコルドなど、航空史に名を残す'迷'機達が所狭しと詰め込まれている。建物内にこれでもかと飛行機を入れ込んだ当館はここだけでも一つの博物館として成り立ちそうなぐらいだ。

アブロ ランカスター


コンコルド(11:30〜15:00までの間、機内に入る事ができる)

 ハイドレページ ヘイスティングス

 E.E. ライトニング

トルネード GR.1

2 Flying Aircraft館




 F4F ワイルドキャット

F4U コルセア

Flying Aircraft館はレストア専門の建物、現在進行中のレストア作業を間近で見る事ができる。また、レストア作業に欠かせない図面類の調査や組み立て作業が出来るボランティアは随時募集している様だ。もし、読者の中でレストア作業に興味がある方がいるならば、IWMのサイトからボランティアの申請をしてみるのも良いだろう。

3 Air and Sea館



グラマン TBM-3 アベンジャー

フェアリー ガネット

 この建物は艦載機を展示している。第二次世界大戦末期に活躍したグラマン TBM-3 アベンジャーと並んで"世界で最も醜い飛行機"ことフェアリー ガネットを見ることができる。


零式艦上戦闘機五二型(コックピットのみ)

九三式酸素魚雷

 また、ここでは数が少ない旧日本海軍の兵器も展示している。この零式艦上戦闘機は戦後連合軍のTechnical Air Intelligence Units (TAIU)により試験された後スクラップになっていた物を展示している。コックピット周辺しか残っていないが、保存状態は良好な上に塗装はオリジナルの塗装の上から連合軍の標準塗装が塗られている事は興味深い。九三式酸素魚雷はカッティングモデルとなっており、こちらも保存状態が良い為、内部の構造を観察する事が出来る。

4 Battle of Britain館



ホーカー ハリケーン

Bf109E-3が不時着した状態で展示されている

 イギリス、空軍ときたら第二次世界大戦中に行われたドイツとの制空戦バトル オブ ブリテンを真っ先に思い浮かべる人がいるのでは無いだろうか。そんな大戦機ファンの方々お待たせ致しました。このBattle of Britain館では、'最も美しい戦闘機'とも呼ばれるスピットファイアや'枯れた技術も馬鹿には出来ない'堅実設計のハリケーン、好敵手であるドイツ軍のBf109E-3などが展示されている。その奥には現在のイギリスの空を守るユーロファイター タイフーンの姿も。

5 Conservation in Action



レストア作業中のハイドレページ ヴィクターB(K) IA

 もう一つのレストア専門館であるConservation in Action館、2019年時点ではハイドレページ ヴィクターB(K) IAのレストア作業を行っていた。当機は元々屋外の駐機場跡に展示されていたが現在レストア作業の真っ最中である。塗装やパネルを外した状態を近くから見ることが出来るのは一見の価値が有る。


6 1940 Operations Room


1940 オペレーションルーム

 こちらは、第二次世界大戦時のオペレショーンルームを見ることが出来る。さながら映画の世界に迷い込んでしまったかの様な当時の雰囲気をそのままに残す建物だ。順路から少し外れた位置にあるが、もし時間に余裕があるならば、寄ってみるのも良いだろう。

7 American Air Museum



SR-71

B-29

 ハンガー1から順に巡って来ると駐機場跡の端に一際大きな白い半円状のドームが見えてくる。ここはAmerican Air Museumその名が示す様にアメリカの軍用機が所狭しと並べられている。今まで見てきたイギリスの飛行機たちとの設計の違い比較することが出来る。ここにはカフェが併設されており、ここまで来るのに歩き疲れた人はここで一服するのも良いだろう。

8 Land Warfare



ウチの履帯は重いんだぞ!

三号突撃砲 (現在は撤去されている)

軽駆逐戦車ヘッツァー

重戦車IS-2(JS-2)

敷地内の一番奥、今までの展示で飛行機成分がお腹一杯になった私たちを迎えてくれるのはLand Warfare。アメリカ、イギリス、ドイツ、ソ連の様々な陸上兵器が収められている。敷地の一番端に位置する事もあり地味な存在ではあるが、大戦期から現代に至るまで数々の車両が収められている。空しか興味が無いと言う人も是非足を運んで欲しい展示である。


X 駐機場


 ブリストル ブリタニア 312

 BAC Super VC10

 ハンガー4,5と滑走路の間には飛行機の駐機場跡があり、ブリストル  ブリタニアやヴィッカースVC10といったイギリスで生産された旅客機が並べられている。これらの機体には不定期で中に入る事が出来る。公開される機体は日によって異なる為、通ってみるのも良いだろう。

体験フライト&航空ショー


ダグラス C-47

 スピットファイア

DH.82 タイガー・モス

 夏期のシーズンでは体験飛行や航空ショーなども開催している。体験飛行ではイギリス の名機スピットファイアやハリウッド映画でお馴染みT-6 テキサンの後席に搭乗する事ができる。体験飛行の価格は決して安く無いが、折角イギリスまで来たから飛んでみたいという方は体験してみては如何だろうか。

体験飛行
スピットファイア (30分):£2,750
T-6 テキサン(30分):£539
タイガー・モス(30分):£219〜
※一部抜粋
詳細は体験飛行を企画・運営をしているClassic Wingsの公式HPへ

あとがき


言葉足らず字足らずの筆者の文章をここまで読んで頂いて、ありがとう御座います。
なかなかイギリスまで来て博物館を巡ろうと言う人は少ないかもしれませんが、もしこういった事に興味があると言う方はご予定に入れてみては如何でしょうか。


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