ローマが政治の中心であるならば、ミラノは経済とファッションの中心地。年に2回開催される「ミラノコレクション」の名前は誰しもが1度は耳にした事があるだろう。世界4大ファッションショーの1つで、開催期間中は街中が各ブランドのPRを兼ねた装飾で彩られる。
ファッションの中心地であるからか、ミラノっ子はお洒落好きが多い様に感じる。ミラノにお越しの際は本場のアパレルショップで自分や親しい人へのお土産を買ってみてはいかがだろうか。
アクセス
空路
ミラノの最寄りの空港は「マルペンサ」、「リナーテ」、「ベルガモ」の3か所。だが、リナーテ空港以外はミラノ中心街から離れている。
※( )内はロンドンの空港に例えた場合
マルペンサ空港
日本からの直行便も乗り入れるマルペンサ空港はイタリアで2番目に大きく長距離国際線も多く扱っている。(ヒースロー空港の様な存在)
中心街までのアクセス 鉄道:約1時間、バス:約1時間
リナーテ空港
ミラノ中心街から最も近いが、滑走路が短い(約2,400m)為、現在は近距離路線しか扱っていない。(ロンドン シティ空港の様な存在)
中心街までのアクセス バス:約30分
ベルガモ空港
ミラノの名前はついているものの、その実は隣町ベルガモに立地する地方空港。中心街までの距離はマルペンサ空港と変わらない。主にLCCが利用しており、東欧への中距離国際線も運行されている。(ガトウィック空港の様な存在)
中心街までのアクセス バス:約1時間
鉄路
ターミナル駅は「ミラノ中央駅」と「ポルタ・ガリバルディ駅」の二つ。前者は長距離列車、後者はローカル線を担当する事が多い。それ以外ではマルペンサ空港を結ぶマルペンサエクスプレスが発着する「ノルド・カドルナ駅」がある。
ミラノの歩き方
ミラノには路面電車(トラム)とイタリアで最も長い地下鉄網が広がっている。2020年現在、路線はM1,M2,M3,M5の4つが営業しており、2021年には5つ目の路線となるM4が完成する予定。(2015年に開業するはずが工事が難航した(平常運転)為、後発のM5に先を越されてしまった)
地下鉄の乗り方
運賃はロンドンと同じくゾーン制を用いている。中心部はMi1-Mi3まで一律料金。日本と同じく入場と出場の両方で切符を改札に通す必要がある。また、切符の磁気が非常に弱いため、磁石のついている物に触れるとすぐに使い物にならなくなる。(筆者はスマホケースに入っている磁石で切符が自動改札機で使えなくなってしまった)
自動券売機の列に並んでいると横から使用済みの切符を売りつけてくる詐欺があるので注意してほしい。運航会社であるATMのベストを着た地下鉄職員以外の言葉は信用しない方が良い。
Mi1-Mi3 1回券 €2.00
Mi1-Mi3 一日乗車券 €7.00
ミラノの見どころ
1. ミラノ中央駅
「世界一美しい駅舎」と言われるミラノ中央駅はまるで教会の中にいるような荘厳で美しい装飾が施されている。これは建築家ウリッセ・スタッキーニがアメリカのワシントンD.C.にあるユニオン駅の駅舎を参考に設計を開始し、〇ァシズムを西欧各国に広めようと思い立った当時の首相ムッソリーニによってより豪華な内装に変更された。
建物は大きく分けて4層構造になっており、最前列の車寄せ(Galleria delle Carrozze)、エントランス、待合室の3つのドーム(大部屋)を抜けると、鉄とガラスをふんだんに使用したトレイン・シェッドに覆われたホームにたどり着く。また治安を改善する為、ホームへは切符を見せないと入れないようになった。
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車寄せ跡 |
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エントランス |
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待合室 |
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ホーム |
2. ドゥオーモ
ミラノのシンボルであるドゥオーモは約500年もの歳月をかけて作られたゴシック建築の集大成。ルネサンス文化が花開いた14世紀後半に建築が開始され、18世紀かの地を征服したナポレオン・ボナパルトによってフランスの国費を投じて完成させた。これは占領政策の一環とみられる。
3. ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア
イタリア王国の国父ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の名を冠するこのガッレリアはドゥオーモとスカラ座を結ぶ巨大なアーケードとなっている。デザインは当時の欧州で流行していたガラス張りのドームで天井を覆うもので、床面はモザイク画となっている。ちなみに床面にある牡牛のモザイク画には少し変わった風習がある。牡牛の急所を足で踏み一回転すると幸せになるとか。
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建物とガラス天井の間にはフレスコ画が描かれている |
4. スフォルツァ城
このレンガ造りの城塞はルネッサンス期に建築されたミラノ公国の中心。かつては星型城郭だったが、ナポレオンによって一部が破壊され、後に敷地面積の1/4ほどが復元されたものが現在の姿となる。
ミラノの新しいスポット?
世界一美しいStarbucks
日本でも最早日常となりつつあるシアトル発のコーヒーブランド「Starbucks」。近年は世界各国の地域に合わせたオリジナルデザインの店舗を展開している。日本の神戸北野異人館店などがその一つだ。そして、このミラノにも個性溢れるスタバが存在する。
2018年、イタリア初のスタバがミラノに開店した。「リザーブ・ロースタリー」と呼ばれる世界にも数店舗しか無い高級ブランド店だ(2019年に東京にもオープンした)。店内ではコーヒー豆が「チャーリーとチョコレート工場」の様なスチームパンク溢れる機械で焙煎されている。
あとがき
2020年1月から始まったイタリア編も今回で一旦区切らせて頂きます。次回はイタリアをまた訪れた際にしようと思います。現在、イタリアでも移動の制限が少しずつ緩和されており平常が取り戻しつつあると聞きます。また、以前のように自由に行き来ができる日が来ることを心待ちにしています。