2021年2月26日金曜日

美しい海岸と美食の街 | 台湾 高雄

 

今回は日本を飛び出して台湾第二の都市「高雄」の魅力を紹介します!

台湾南部最大の都市である高雄は地形に恵まれた天然の良港を有しており、古くから港湾都市として栄えて来た。現在でもコンテナ船が行き交う姿を見る事が出来る。台湾を発着するコンテナ船の七割が高雄の港を利用している程だ。石油コンビナートや製鉄所等の重化学工業が盛んで工業の街としての側面もある。

現在は休止中だが、日本から飛行機の直行便があり、台北に次いで訪れやすい街ともいえる。温暖な気候と豊かな自然が残る台湾南部を観光する拠点としてもお勧めの街だ。

(※当記事で紹介されている内容は2019年時点の情報です)

関空-台北路線のチャイナエアラインB747-400


1. 観光スポット


①旗津海水浴場



高雄市の西側には高雄港を外洋から隔てている旗津半島がある。この半島は全長11.3km、全幅200mあり、港の拡張工事により陸地から切り離された為、現在は島となっている。

台湾の中でも南に位置する高雄は一年を通して温暖な気候の為、南国の様なビーチが広がっている。海岸沿いには遊歩道が整備され、サイクリングやジョギングを楽しむことが出来る。半島の中ほどには魚市場もあり、新鮮な魚を手にすることも出来る。





②鈴鹿賽道楽園



2016年5月に新しく出来たテーマパークが「SUZUKA CIRCUIT PARK」だ。三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキット全面協力の下、開園した全長600mのゴーカート用サーキットとなっている。コースは鈴鹿サーキットを縮尺1/10で再現したものとなっている。

初めて当施設を利用する場合、会員登録が必要だが次回レースに参加した際には前回のスコアと比較したスコア表を貰える。ギア操作がなく操作が容易な為、大人は勿論子供や車を運転したことがない人でも楽しめるスポットとなっている。




③哈瑪星鉄道文化園区



哈瑪星(ハーマーシン)とは日本語の浜線(はません)を語源とする地名だ。日本統治時代に台湾港の海岸沿いを走る路線を浜線と呼んでいた事が名前の由来だ。哈瑪星の中心部にある鉄道文化園区は初代高雄駅の跡地を利用した公園で市民の憩いの場となっている。

1908年に打狗停車場がこの地に開業し、1920年からは高雄駅を名乗るようになった。1941年に高雄駅が現在の高雄市中心部に移動した為、その後は貨物を扱う高雄港駅となった。しかし、貨物輸送の主役が鉄道からトラックに代わった為、2008年に廃駅となった。

因みに浜線こと臨港線の一部はLRTとなり復活、沿岸地域の交通の足となっている。


・打狗驛故事館



先述の旧高雄港駅舎は博物館として公開されており、周囲には引退した機関車や客車、貨車が展示されている。その中には日本のC55形や9600形蒸気機関車も保存されている。そんな保存車両の中から戦後に日本で製造され、台湾で活躍した車両を2つ紹介する。


 【台鐵 35BK32950型電源車】



車種:電源車 

製造メーカ:日立製作所 

製造年:1970年(1988年改造)

製造数:3両 

積載重量:35トン

台車:TR-35

最高速度:100km/h

最大寸法(全長×全幅×全高):20,000mm×2,865mm×3,953mm 

車両解説:台湾の長距離急行列車「莒光号」の電源車として日本から輸入した車両。2000年代初頭まで活躍した後、廃車となった。2011年から打狗驛故事館で保存されている"35BK32952"のみ現存している。保存に際して塗装色をオレンジ色とベージュ色の現行色から登場当初の白色とスカイブルー色に復元された


 【台鐵 35SP32400型客車】



車種:鋼製客車

製造メーカ:川崎車輛 (現 川崎重工業)

製造年:1966年

積載重量:35トン

座席数: 64

台車:TR-27

最高速度:100km/h

最大寸法(全長×全幅×全高):20,000mm×2,865mm×3,953mm 

車両解説:1966年に日本から輸入された非冷房・転換クロスシートの普通客車。日本のスハ44系客車に類似した特徴を持つ。車両の近代化や路線の電化により引退が進み2014年に型式消滅したが、後継車である35SPK32700型などの日本製旧型客車は2020年12月まで活躍し、将来的には観光列車として復活する予定だ


・哈瑪星台湾鐵道館



かつての倉庫を改装した博物館の中にはHOゲージスケールの鉄道ジオラマや台鐡の歴史が展示されている。屋外を走るミニ鉄道には何故か日本のN700系新幹線も走っている。

周辺の倉庫街はアート地区に生まれ変わっており、デザインショップやデザイナーのアトリエが軒を連ねている。




④壽山情人觀景台



哈瑪星を見下ろす位置にある壽山の展望台からは高雄の街が一望できる。夜になると夜景がとても美しい為、デートスポットとしても人気の場所だ。




2. 食事



台湾は日本料理や中華料理とは異なる独自の食文化を持っている。日本と比べ価格が安く・量もあり・味も美味しいため、食事を目当てに台湾を旅行する人もいるという。


・朝食



台湾では朝食を外で食べる習慣がある。朝になると街の至る所に朝食専門店を目にすることが出来る。

定番のメニューは「豆漿(ドウジャン)」と呼ばれる豆乳と「油條(ヨウティアオ)」と呼ばれる揚げパン、「燒餅(シャオピン)」と呼ばれるパイの3点。現代日本や欧州では朝食は軽く済ませる事が多いがコチラは結構なボリュームがあり、価格もリーズナブルだ。

もし、台湾に訪れた際はホテルの朝食だけでなく街中で伝統的な朝食も試してみては如何だろうか。



豆漿(左)と油條(右)


・昼食



台湾のソウルフードである牛肉麺。様々な種類の味付けがあり、筆者が食べたものは仄かに甘みを感じるスープに細切れの麺を入れたものだった。


・夕食


六合國際観光夜市

台湾の夜市は何処も活気に満ちあふれている。高雄の街も夜になると多くの夜市が催される。それぞれの夜市でお店が異なるので夜市巡りをしてみるのも面白いだろう。

夜市には飲食店の他に、青果店や鮮魚店、衣料品店も入っている。そして勿論、タピオカミルクティーの店もある。今や世界的に有名となったタピオカミルクティーは実は高雄発祥の飲み物だったりする。


夜市の定番である唐揚げはスパイスが効いていて美味しい

腐豆腐
腐豆腐は匂いのキツさからバラエティ番組で度々話題となるが、
納豆の匂いをした揚げ豆腐の様な食べ物で筆者は美味しく感じた
(寧ろ日本のくさやの方が匂いは強烈だ)


あとがき



今回は台湾南部の都市「高雄」を紹介させて頂きました。高雄は台北と比べて都会化があまり進んでいないおかげで、日本では再開発によって見る事が出来なくなったノスタルジックな街並みが残っている事も魅力の一つだ。因みに高雄を日本語読みすると「たかお」だが、中国語では「カオシォン」と読む。


次回投稿予定日


2021年3月5日(金)


参考文献・サイト


  • 「台湾のりもの旅」出版:イカロス出版、ISBN978-4-8022-0295-4





2021年2月22日月曜日

B滑走路離陸機を正面から撮れる! | ソラムナード羽田緑地


ソラムナード羽田は南風新ルート運用でB滑走路(R/W22)を離陸する飛行機を撮影できる


前回紹介した羽田イノベーションシティと同じく、天空橋駅周辺の再開発で誕生した撮影スポットが「ソラムナード羽田緑地」だ。イノベーションシティよりも東側に位置している為、B滑走路(R/W22)を離陸する機体を正面から撮影できるスポットだ。


羽田イノベーションシティについては過去記事を参照↓



ソラムナード羽田は大田区が2010年に国土交通省や東京都などと策定した「羽田空港跡地まちづくり推進計画」の一環として2020年4月に全面開園した公園だ。多摩川沿いに広がった約1.1kmの敷地を誇る。

因みに公園の名前の由来はフランス語で散歩を意味する「プロムナード」と日本語の「空」を融合させた造語で、2018年7月に公募で選ばれた名前だ。

公園自体が多摩川の土手を兼ねている為、風が強く冬場は特に寒いので撮影でお越しの際は防寒着の用意をお勧めする。


ソラムナード羽田 エントランス

展望台
屋根付きのベンチが設置されている


撮影の手引き




B滑走路端(R/W04)に位置している為、イノベーションシティと同様に「南風・新ルート運用」が撮影にベストなタイミングとなっている。しかし、この撮影地はイノベーションシティと比べ低い位置にある為、空港を囲むフェンスや照明柱に注意して撮影する必要がある。

・A滑走路着陸


A滑走路に着陸するJAL機とB滑走路上で離陸待機をするANA機

イノベーションシティと同様、撮影スポットからA滑走路までは約1,700mある為、望遠レンズを使用すればB777やB787、A350等の大型機を撮る事が出来る。また、B滑走路上で離陸待機する飛行機を入れた写真も撮る事が出来る。



・C滑走路着陸


B滑走路を離陸するANAのB787とC滑走路に着陸するB767

こちらも同様に、撮影スポットからC滑走路末端までの距離は約3,360mある為、着陸機を肉眼で確認することはできるが、撮影にはあまり向いていない。



・B滑走路離陸



この撮影スポットの目玉はB滑走路(R/W22)を離陸する機体を正面から撮影出来ることだ。望遠レンズを利用すれば以前紹介した伊丹空港にある猪名川土手の様な迫力ある離陸シーンを撮影できる。






アクセス



専用駐車場はないが、羽田イノベーションシティの東駐車場から徒歩圏内に位置している為、自家用車でもアクセスが容易だ。

《公共交通機関》

  1. 京浜急行電鉄 空港線、東京モノレール「天空橋駅」下車、徒歩15分
  2. 京浜急行電鉄 空港線、東京モノレール「羽田空港第3ターミナル駅」下車、徒歩20分

《自家用車》

専用駐車場なし

羽田イノベーションシティ若しくは羽田空港第3ターミナルの有料駐車場を利用可能



まとめ



  • ベストタイミング:南風運用(15:00~19:00)
  • 焦点距離:600mm~
  • 駐車場:なし
  • トイレ:あり
  • コンビニ:なし


あとがき


2回連続で羽田空港の新撮影スポットを紹介してきました。昨年から都心上空を飛ぶ新ルート運用が始まり、羽田空港周辺の撮影スポットも更に増えるのではないかと筆者は期待しています。


次回投稿予定日


2021年2月26日(金)



参考サイト



2021年2月19日金曜日

羽田空港の新名所! | 羽田イノベーションシティ

 


羽田イノベーションシティは南風新ルート運用でB滑走路(R/W22)を離陸する飛行機を撮影できる


羽田空港に鉄道やモノレールでアクセスするとターミナル駅に到着する前に天空橋という駅があるのをご存知だろうか。ここはかつて羽田空港が沖合に移動するまでターミナルがあった場所だ。その為、かつての羽田空港駅はこの近辺に存在したが、1993年に廃止された。その際に周辺住民の利便性を確保する為に代替駅として建設された駅が天空橋駅だ。



駅を含め周辺はすべて羽田空港所有の土地である為、海老取川東岸一帯は民家が一軒もない。その為、ターミナルやB滑走路の移動に伴い発生した広大な更地が長い間手つかずのまま残っていた。現在、このエリアは再開発の真っ最中で、その目玉が今回紹介する羽田イノベーションシティだ。


羽田イノベーションシティ

展望デッキ
無料で利用できる足湯がある


撮影の手引き



羽田空港の西端に位置する羽田イノベーションシティは何時でも飛んでいる飛行機が撮れる訳ではない。正確には「南風運用」且つ2020年3月から始まった「新ルート」での運用時でないと飛んでいる飛行機の写真を撮る事は難しい。

運用開始時には全国ニュースにもなった羽田空港新ルートは現在、南風運用の15:00~19:00(内3時間ほど)のみ適用されている。その為、このスポットでのベストタイミングは南風運用時の約3時間程に集約される。




・A滑走路着陸機



撮影スポットからA滑走路着陸機のアプローチラインまでは約1,700mある為、望遠レンズを使用すればB777やB787、A350等の大型機を撮る事が出来る。B737やA320等のナローボディ機は焦点距離600mmのレンズでも上記の様なサイズ感となる。


・C滑走路着陸機



撮影スポットから、C滑走路末端までの距離は約3,380mある為、着陸機を肉眼で確認することはできるが、撮影には向いていない。仮に焦点距離800mmの超望遠レンズやエクステンダーを使用したとしても、地面から発生する陽炎によって鮮明な写真が撮れない可能性が高い。


・B滑走路離陸機



この撮影スポットの目玉はB滑走路(R/W22)を離陸する機体を斜め前方から撮影出来ることだ。望遠レンズを利用すれば迫力ある離陸シーンを撮影できる。また、撮影スポットの展望デッキは建物の3階に位置する為、空港周辺を囲んでいるフェンスを気にする必要が無い事もアピールポイントだ。





離陸滑走から機首上げ、ランディングギア収納まで一連の流れが撮影出来る


アクセス



羽田イノベーションシティは自家用車と公共の交通機関どちらでもアクセスすることが出来る。Zone A~Fまで6つのエリアに分かれているが、展望デッキはZone Eの屋上にある。施設2階のコンコースから屋外階段を利用して屋上に上がることが出来る。

営業時間は5:30~23:00だが、撮影等のイベントで貸切る事が出来る為、一般客が入場出来ない場合がある。直近では2020年にTBS系列で放送されたTVドラマ「半沢直樹」の撮影で使用された。


《公共交通機関》

京浜急行電鉄 空港線、東京モノレール「天空橋駅」下車、
徒歩5分

《自家用車》

有料駐車場あり

駐車台数:190台

24時間営業




まとめ


  • ベストタイミング:南風運用(15:00~19:00)
  • 営業時間:5:30~23:30
  • 焦点距離:600mm~
  • 駐車場(有料):あり
  • トイレ:あり
  • コンビニ、飲食店:あり


あとがき



今回は羽田空港に新しく出来た撮影スポットを紹介しました。羽田空港は洋上に位置している為、外周から着陸機を撮影できるスポットはありましたが、離陸機を撮影できるスポットは陸上の空港に比べ少なかったと思います。その為、今まで羽田空港では撮れなかったアングルで撮影できる事が今回紹介したスポットの一番の魅力です。


次回投稿予定日


2021年2月22日(月)

羽田空港もう一つの新スポット「ソラムナード羽田」