2020年11月20日金曜日

フィリピン航空 A321-231 成田 - セブ便 搭乗レポート



フィリピンは大小約7,000もの島によって構成される世界第2位の群島国家だ。そんなフィリピンに属する島で日本からの観光客も多く訪れるのが、フィリピン中部に位置するセブ島だ。

COVID-19パンデミック以前は成田空港からフィリピン航空とLCCのセブ・パシフィック航空の二社が、関空・中部セントレアからはそれぞれフィリピン航空が直行便を運行していた。かつてはANA系列のLCCバニラ・エア(現在はピーチと合併)が成田から直行便を運航していたが、2018年10月27日をもって運行を取りやめた。

近年、国際線に力を入れているセブパシフィック航空

今回はフィリピンのFSCであるフィリピン航空の成田-セブ便搭乗レポートを紹介する。再び海外旅行が出来る様になった時の参考にしてくれれば幸いだ。尚、今回紹介する写真や情報は取材を行った2018年~2019年間の物である為、変更になっている可能性がある事をご承知おき下さい。


成田空港 (NRT/RJAA)



成田空港の使用ターミナルはJAL等と同じ第2ターミナルを使用する。チェックインカウンターは2020年現在、北側の端にあるAカウンターを使用している。因みに筆者が利用した2018年当時は機内持ち込み荷物に関してもチェックインカウンターで重量を計測していた。


使用機材



成田-セブ便に使用される機材はエアバス社製のナローボディ(単通路)機であるA321型機が使用されている。A321はLCCや国内線で頻繁に利用されているA320シリーズの長胴型として開発された機体だ。

姉妹機種のA320シリーズ
フィリピン航空は現在、2種類のA321を運航している。「A321 ceo」と「A321 neo」だ。ceoは従来型、neoは2017年に登場した最新型だ。外観こそ殆ど変わらないものの、内装はneoでは全席シートモニターを装備する等進化している。今回は従来型のceo機材を紹介する。


  • 座席 


航空券は「ビジネス」、「プレミアムエコノミー」、「エコノミー」の三種類で販売されているが、「プレミアムエコノミー」と「エコノミー」は同じ座席を使用していて、異なるのはシートピッチ(間隔)のみである。

個人モニター等のシート搭載オーディオ機器は無く、ビジネスクラスはAC電源とUSB電源の2種類、エコノミークラスはUSB電源が各シートに設けられている。



エコノミークラスのシートピッチは日本の国内線で一般的な30インチ


エコノミークラスのシートは青色のレーザーを使用、
アメニティは同じく青色のクッションと毛布

  • 機内サービス

近距離国際線仕様の為、機内装備は国内線と大差ない
 ceo機材ではシートモニターが装備されていないが、お手持ちのスマートフォンやタブレット端末にフィリピン航空の提供するアプリ「myPAL Player」をダウンロードしておくことで機内Wifiを利用して映画や音楽番組の配信を利用できる。正し、出発前にアプリをダウンロードしておく必要がある。

 

  • 機内食

機内食は1回提供される。アルコールはFSCだけあって無料で提供される。
因みにビールは日本産の他にフィリピン産の「BREW KETTLE」などを提供している。この銘柄はベルギービールに似たホワイトビールで仄かに甘い香りがする上品な味わいとなっている。
 

NRTCEB

2018年10月撮影

2018年12月撮影


CEBNRT 

2018年11月撮影

2019年1月撮影


機窓風景

CEBへの着陸態勢に入ると窓の外には美しい海と、サンゴ礁で出来た島々を見ることが出来る。窓側席の方は是非外を眺めてみてほしい。



マクタン・セブ国際空港 (CEB/RPVM)



実はセブ島にはジェット旅客機が発着するような空港は存在しない。その為、セブ島の中心街からほど近い位置にあるマクタン島という島に国際空港が立地している。外国人観光客向けの高級リゾートホテルが立ち並んでいるのはこの島だ。同島とセブ島は2本の橋で結ばれており、陸路での行き来が可能だ。

手前がマクタン島、奥がセブ島

ターミナルビルは国内線を扱う第1ターミナルと国際線を扱う第2ターミナルに分かれている。第2ターミナルは2016年に完成した近代的な建物で、おそらく現時点においてセブ島で最も近代化されている建物の一つではないだろうか。

 

  • 到着後の流れ



機内で配られた入国書類に不備が無ければ入国審査で引っかかる事は殆どない。入国審査場を抜けるとエスカレーターがあり、1階の手荷物受取場に通じている。


預け手荷物を受け取った後に、正面出口に立っている税関職員に税関申告書を渡せば入国完了となる。送迎を頼んでいる場合、免税店を正面にして右側の出口付近でドライバーが待機している場合が多い。


  • 帰国の流れ

 

注意が必要なのは出国審査の列に並ぶ前に空港税を払う必要がある事だ。出国審査列手前のカウンターで空港税を払う(2018年時点では850p)と証明書を発行してくれるので、パスポートと一緒に出国審査窓口で提示する。この施設利用出発日までに空港税分のフィリピンペソは手元に残しておこう。

(注)2020年から空港税の値上げ及び航空券に予め含まれるようになったとの情報もあるので、渡航前に最新情報を確認してほしい 

 

手荷物検査場後の免税店エリアではお土産品を買うことが出来るが、街中と比べ非常に割高となっている。これは空港のテナント料が非常に高額な為だ。その他にはファーストフード店やバーカウンター等もあるので早く着きすぎてしまっても時間をつぶすことが出来る。
 

電子機器の充電はコンセントが複数ある充電タワーが待合室各所に設けられている


【渡航先注意情報】

※最新情報は外務省の海外安全ページを確認してください。

外務省 海外安全ページ


治安について



セブ島はフィリピンの中では安全な地域であるが、あくまでもフィリピン国内での話。ホテルや空港を飛び出せば東南アジア特有の雰囲気が広がっている。そんな異国情緒を味わえるのも旅の醍醐味であるが、犯罪やトラブルに遭遇すると旅行を楽しむどころでは無くなるので、注意が必要だ。


特に注意をしなくてはいけないのがジプニーやタクシーの運転手で彼らの給料は同島の最低層に位置する為、中にはひき逃げをしたり高額な料金を要求する悪質なドライバーも存在する。対策として、東南アジアで人気の配車アプリ「Grab(グラブ)」を利用するのが便利だ。

Grab App
Grab App

アメリカのUberの様な配車アプリで、ドライバーが登録制の上、乗車前に目的地までのおおよその運賃が表示される為、高額な請求を防止できる。さらに、GPSで位置情報が集計されているので変な場所に連れていかれる事も抑止できる。ただし、一人での利用はあまりオススメしない。


あとがき



筆者は2年ほど前に3ヶ月ほどセブ島に滞在していた為、その時の経験を基に今回の記事を書かせていただきました。セブ島は一年を通して温暖(12月でも日中の気温が28度)で美しい海を堪能できる魅力的なリゾート地だ。しかし、ハワイやグアムといった整備された観光地ではないので、注意も必要だ。

またLCCとのサービス比較だが、近距離国際線の為、機内食・預け荷物重量の点では勝っているものの、エコノミークラスを利用する場合、サービス面での差は大きくない。


次回投稿予定日


2020年11月23日(月)
「航空自衛隊 百里基地の魅力」


参考サイト



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