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2020年10月12日月曜日

さらば「空の女王」ブリティッシュエアウェイズ B747-400完全引退


2020年10月8日、ブリティッシュエアウェイズ最後のB747-400である2機<G-CIVB>、<G-CIVY>が最後のフライトに出る為、母港であるロンドン ヒースロー空港を後にした。

<G-CIVB>はBA400便としてイングランド、グロスターシャー州ケンブルにあるコッツウォルド空港へ、<G-CIVY>はBA747便としてウェールズ南部にあるセント・アタン空港にそれぞれ向かった。どちらの機体も英国内で解体されるとみられている。
ラストフライトの模様は同社のFacebookで公開されている。




ブリティッシュエアウェイズの前身であるBOAC(英国海外航空)はパン・アメリカン航空、ノースウエスト航空、TWA、日本航空と並びB747のローンチカスタマーだった。BOACにとって初号機となる<G-AWNA>は1970年4月にやって来た。しかし、パイロットから「機体が大きい分、多くの給与を」と反発があり、約一年間フライトの遅れが頻発するようになった。この労使問題はメディアでも大きく取り上げられたそうだ。


1974年にBOACがBEA(英国欧州航空)と合併して社名がブリティッシュエアウェイズ(BA)になってからも747は同社の顔として飛んでいた。その後、改良型の-200B、-200BMを経て導入されたのが、「テクノジャンボ」こと-400だ。BOACとBAが受領した747シリーズは合計94機。内、最大の勢力を誇っていたのが-400で57機受領している。現在に至るまで世界最大の-400ユーザーだった。

因みに日本航空は747シリーズを世界最大の113機発注したが、2001年の同時多発テロやB777の登場に伴い-400は旅客型42機、貨物型2機にとどまった。


Fleet of British Airways

昨年末にロンドン ヒースロー空港で撮影した写真(過去の記事で公開した写真を含む)を交えて今回引退となった機体を一挙ご紹介します。因みにライン番号(LN)は何機目に製造された747かを示し、製造番号(CN)は機種によらない5桁の番号となっている。

G-BNLY (LN:959/CN:27090) ※Landorカラー復刻塗装
G-BYGA (LN:1190/CN:28855)
G-BYGB (LN:1194/CN:28856)
G-BYGC (LN:1195/CN:25823) ※BOAC復刻塗装
G-BYGD (LN:1196/CN:28857)
G-BYGE (LN:1198/CN:28858)
G-BYGF (LN:1200/CN:25824)

G-BYGF
G-BYGG (LN:1212/CN:28859)
G-CIVA(LN:987/CN:27092)
G-CIVB(LN:1018/CN:25811) ※Negusカラー復刻塗装
G-CIVC(LN:1022/CN:25812)

G-CIVC
G-CIVD(LN:1048/CN:27349)
G-CIVE(LN:1050/CN:27350)
G-CIVF(LN:1058/CN:25434)

G-CIVF
G-CIVG(LN:1059/CN:25813)
G-CIVH(LN:1078/CN:25809)

G-CIVH
G-CIVI(LN:1079/CN:25814)

G-CIVI
G-CIVJ(LN:1102/CN:25817)

G-CIVJ
G-CIVK(LN:1104/CN:25818)
G-CIVL(LN:1108/CN:27478)

G-CIVL
G-CIVM(LN:1116/CN:28700)

G-CIVM
G-CIVN(LN:1129/CN:28848)
G-CIVO(LN:1135/CN:28849)
G-CIVP(LN:1144/CN:28850)
G-CIVR(LN:1146/CN:25820)
G-CIVS(LN:1148/CN:28851)

G-CIVS
G-CIVT(LN:1149/CN:25821)
G-CIVU(LN:1154/CN:25810)
G-CIVV(LN:1156/CN:25819)
G-CIVW(LN:1157/CN:25822)

G-CIVW
G-CIVX(LN:1172/CN:28852)

G-CIVX
G-CIVY(LN:1178/CN:28853)

G-CIVY
G-CIVZ(LN:1183/CN:28854)

G-CIVZ

本来であれば、最終的な引退は2023年となる予定だった。2019年には3機の747に対し国際線運航100周年を記念した復刻塗装を施したばかりであった。

しかし、COVID-19パンデミックがBAの経営に与えた影響は大きく、2020年7月17日に突然の引退が発表された。つまり、代替えの新造機が来る2023年までに航空需要は回復しないだろうという見立てだ。COVID-19の影響があったのは当然飛行機だけではない。BAは2020年4月時点で最大12,000名の人員削減を発表しており、現在も人員削減を実施中である。

現在のところ、これらの機体が引退後どうなるかは明かされていない。すべて解体となる可能性が高いが、もし可能であれば一部でも博物館に保存して頂けたら嬉しいと筆者は思う。


在りし日の記憶


今では貨物機以外のB747は殆ど見られない日本の空港ではあるが、かつては「ジャンボの王国」と呼ばれる程、国内線・国際線共に747であふれていた。日本の2大キャリアであるJALとANAがそれぞれ747を運航していた2008年、筆者は羽田にあるANAの機体整備工場を訪れていた。

APU(補助動力装置)
地表に立って眺めると機体のサイズに圧倒される

トーイングされる747


トーイングカーに引っ張られゆっくり機体が移動する
垂直尾翼の先端と格納庫のゲート上部がギリギリなのが分かる
大きく機体を旋回させ格納庫前に駐機させる


あとがき


技術の発展や需要の変化によって世界中に普及していた製品が一気に過去の遺物となってしまう事はどの世界においても起こることだが、それらが残した足跡を記録し残していく事は新しい世代に伝えていくうえで大切なのだと近々感じています。微力ではありますが、その時代を切り取った写真を残せるように努力していきたいと思います。


参考文献


「エアライン 2020年10月号」
出版社:イカロス出版、雑誌02043-10

「AFQR 2019」
出版社:Air-Britain、ISBN978-0-85130-514-1

「MODERN CIVIL AIRCRAFT:4 Boeing 747」
著:Peter Gilchrist, 出版社:IAN ALLAN, ISBN: 0-7110-2050-7


2020年9月25日金曜日

航空科学博物館から成田空港のA滑走路離陸機を撮る

 


成田空港南端に位置する航空科学博物館は週末になれば家族連れや団体旅行客で賑わう人気の観光スポットだ。筆者も幼少期に親に連れられ訪れた記憶がある。

そして、航空撮影家からは北風運用時にA滑走路に着陸する機体を午前中に順光で撮影できるスポットとしても知られている。



では反対に

南風運用時にA滑走路を離陸する機体を撮ることは出来るのか?

という疑問がある。そこで今回はこれを検証してきた。


撮影の流れ


①最上階の展望室で誘導路を観察



②撮りたい飛行機に動きが見られたら、階段・エレベーターで3Fに降り屋外の展望台へ




③新館の屋根や電柱が被らないようになるべく後ろから撮影する


焦点距離600mm
焦点距離275mm
焦点距離232mm

・正面を撮るには600mm以上が必要


Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100

このポイントは被写体に比較的近い位置で撮影できるが、離陸機の正面を撮影するには焦点距離400mmでは少し足りない。焦点距離600mm以上の超望遠レンズがあると上手くとらえることが出来る。正し、夏場は暑さから滑走路上にモヤが発生するので注意が必要だ。

滑走路が見えないので、石油タンク辺りに狙いを定めておく

・大型機以外は撮るのは難しい



昨今は燃料を節約するため、短い滑走距離・きつい上昇角で上がっていく機体が多い。そのため離陸機を撮ろうとしたら、飛行機のお腹(底面)の写真ばかり撮っていたという人も多いのではないだろうか。

しかし、大型機や長距離路線の機体は重量が重いため、ゆっくりとした上昇角で上がっていく。お目当ての飛行機が大型機なら、撮影のチャンスは大いにあるだろう。

ネパール航空A321 機体サイズは小さいが、低めの上りだった

ここで撮れる作品


Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100

外周スポット「三里塚さくらの丘」と比較

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100

A滑走路を挟んで西側に位置する「三里塚さくらの丘」も南風運用時に離陸機を撮ることが出来るスポットだ。こちらは午後順光で、当然の事ながら航空科学博物館とは反対に、機体の右翼側を撮ることが出来る。また、航空博物館よりも滑走路中心位置に近い為、焦点距離は300mm程度で撮ることが出来る。

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100


まとめ


  • 午前順光
  • 大型機なら離陸機も狙える
  • 正面を撮るには焦点距離600mm~
  • 側面を撮るには焦点距離300mm~


開館時間


開館時間:10:00~17:00 (最終入場16:30)

休館日:毎週月曜日、年末


入場料


大人 700円、中高生 300円、こども 200円

※JAFカード、各種クーポン券による割引あり


アクセス


空港からの路線バスがあるが本数が少ないので、マイカーで来ることをお勧めします。



あとがき



筆者が航空科学博物館を訪れたのは8月の上旬。COVID-19に伴う世界的な貨物需要増加に伴い飛来したヴォルガ・ドニエプル航空のAn-124 ルスラーンを撮る為だ。航空科学博物館の展望室からは貨物区が一望できるため、荷物の搬入作業を確認することが出来る。

因みにこの日は1日中粘ったが、飛び立つことはなく、翌日の夕刻アンカレッジに向け飛び立っていった。次に飛来する際は是非とも飛んでいる姿を写真に収めたいところだ。




2020年1月11日土曜日

Heathrow Airport ヒースロー空港 撮影スポット -④エッソ ガソリンスタンド


今回でヒースロー空港の撮影スポット特集も4回目。前回までに南滑走路27L(第1回)及び北滑走路27R(第2,3回)に着陸侵入する飛行機の撮影スポットを紹介して来た。
今回のスポットは南滑走路27Lを離陸する機を撮る事ができる。

画像出典:Wikipedia

撮影の流れ


1. 離陸滑走中は見えない為、柵の下から突然上がってくる
 その為、Flightrader24等で位置を確認していた方が撮影し易い

2. 空港と撮影地の間には幹線道路が通っている為、
タワーを絡めた写真は自動車が高確率でフレーム中に入る


3.機体の側面を狙えるが、着陸装置は完全に上がっていない

4.やがて機体は西の空へ上がっていく

英国におけるエアバンドについて


英国では日本の様にエアバンドを聴取する事は認められていないが、撮影場所によってはマニアがエアバンドを聞いてる場面に出くわすことがある。よって無線機の使用は自己責任でお願いしたい。なので民間機を撮る場合、離陸のタイミングはFlightrader 24等に頼る事となる。


ここで撮れる作品


・管制塔と絡めた絵が魅力!


Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f5.6, ISO800

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f5.6, ISO100

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f5.0, ISO100


・国際空港ならでは多彩な機種を写真に納めよう!


Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f5.6, ISO1250

Canon 6D MkII, 150-600mm, 1/1000s, f6.3, ISO100


ヒースローは747天国


2019年時点でブリティッシュエアウェイズは旅客型のB747-400を35機保有しており、世界最大の保有数を誇る。その為、ヒースロー空港では旅客型の747を容易に撮る事ができる。

2020年1月某日の午前9時〜13時までに同スポットで確認されたB747を1機ずつ紹介する。
※MSN(Manufacturer Serial Number):製造番号


  機体番号:G-CIVY
  MSN:28853
  Line Number:1178
  機齢:21.3年 


  機体番号:G-CIVM
  MSN:28700
  Line Number:1116
  機齢:22.6年 


  機体番号:G-CIVJ
  MSN:25817
  Line Number:1102
  機齢:23.0年 


  機体番号:G-BYGF
  MSN:25824
  Line Number:1200
  機齢:20.9年


  機体番号:G-CIVX
  MSN:28852
  Line Number:1172
  機齢:21.4年 


  機体番号:G-CIVI
  MSN:25814
  Line Number:1079
  機齢:23.7年


  機体番号:G-CIVS
  MSN:28851
  Line Number:1148
  機齢:21.9年


  機体番号:G-CIVL
  MSN:27478
  Line Number:1108
  機齢:22.8年

まとめ


・滑走路27Lを離陸する飛行機を撮れる
・タワーとの絡みが撮れる
・昼順光
・焦点距離:170mm~200mm

アクセス


ターミナル5駅から徒歩約20分。
撮影スポット前は幹線道路なので路線バスが走っているが、近くにバス停が無く通過する。
エッソ石油のガソリンスタンドはコンビニエンスストアを併設しており、イートインコーナーやトイレが利用できる。寒い季節の撮影では屋内で食事ができるイートインコーナーが重宝される。


ターミナル5駅から撮影地まで


①地下駅から地上階に上がったらターミナルビルに入らず、南に向かう


②バスの発着プラットホームを右手に見ながら歩道を道なりに進む


③ターミナルから出たら南滑走路を離陸する機を眺めながら一路南へ向かう


④Southern Perimeter Rdと交差する環状交差点に出るので横断歩道を渡る


⑤Southern Perimeter Rdの南側歩道を東に向けて歩いていくとエッソブランドのガソリンスタンドが見える
ガソリンスタンドにはコンビニ、SUBWAYが併設されている為、温かい食事や飲み物を取る事ができ、比較的きれいな化粧室も利用できる


⑥ガソリンスタンドのお隣にある芝生が今回の撮影スポット
有名なスポットの為、他にも撮っている人を見かける事ができる


あとがき


如何だっただろうか、今回紹介したスポットは今まで紹介した撮影地とは異なり離陸機を撮る事が出来るのでまた違った絵を撮る事が出来る。また、これは私の私見であるが今から約15年前はB747はありふれた存在だった。当時はまさか、異国の地でわざわざ撮る事になろうとは想像も出来なかった。今回撮影したB747の全てが機齢20年を超えており、この国から旅客型747が完全に消えるのもそう遠く無い(2023年完全引退予定)。

(2020/10追記)BAに所属していたすべてのB747はCOVID-19による経営悪化を理由に前倒しで2020年10月8日をもって引退した