2020年4月3日金曜日

成田より桜のお便り | 成田空港 さくらの山公園


千葉県北東部に位置する成田空港の周辺では四季を通して様々な花が見られる事が魅力だ。特に春の桜や千葉県の県花である菜の花と飛行機が織りなす景色は成田の名物だ。今回は飛行機と桜が撮れる有名スポットであるさくらの山公園を紹介する。


さくらの山公園



A滑走路16Rの端に位置するさくらの山公園は成田空港一有名な撮影スポットとなっている。かつては航空撮影家しか知らない高台だったが、2000年代初頭に公園としての整備が進み、現在では航空ファンのみならず家族連れやお年寄りなどで常に賑わっている。

広い敷地と広大な駐車場を有しているこの公園は、車でのアクセスがしやすく気軽に訪れることが出来る。また、公園敷地内には「空の駅 さくら館」があり、温かい食事や地元の野菜が買える特産品店の他にエアライングッズを取り扱った「FLIGHT SHOP CHARLIE'S」が入店している。


撮影の手引き



さくらの山公園は敷地が広い為、様々な立ち位置で飛行機を取ることが出来る。従って自分で歩いて好きな構図を探すことが出来るのが魅力の一つだ。

飛行機を望遠レンズを使ってアップで撮影する事もできるが、広角レンズを使って公園の風景を絡めた写真を撮ることも出来る。そんな数ある立ち位置の中から今回は3つを紹介する。


1. 離陸


滑走路北端に位置するさくらの山公園では北風運用の際に離陸機を写真に収めることが出来る

a. 滑走路付近


さくらの山の定番ポイントである滑走路に最も近い県道44号線沿いの柵ではA滑走路を離陸する飛行機の迫力がある姿を撮影出来る



b. 中央広場


公園中央にある広場から離陸機を撮ろうとすると大半は飛行機が小さくなってしまうが、
フレームいっぱいに広がるさくらの花道を飛行機が飛んでいるような写真を撮ることが出来る

菜の花・桜・飛行機を1枚のフレームに収めた

離陸機はフライトや機体サイズ等によって上昇率が異なる

2. 着陸


南風運用の際に撮影できる着陸シーンは桜並木が中央の広場から北に向かって延びている為、離陸よりもシャッターシーンが多く撮りやすい

c. 桜並木






まとめ


  • 午後順光
  • レンズ:撮影スタイルによる
  • 商業施設あり
  • トイレ・駐車場あり

アクセス


県道44号線「さくらの山」交差点前
無料大型駐車場あり(繫忙期には臨時駐車場もあります)



在りし日のさくらの山


フライトカフェ・チャーリーズ



かつて「空の家 さくら館」には航空写真家のチャーリー古庄氏がプロデュースしたレストラン「フライトカフェ・チャーリーズ」が営業していた。成田空港でエアライン各社に機内食を提供しているゲートグルメ社監修の機内食風ランチセットに加え飛行機のシートで食事が頂けると言った独自のサービスが売りのお店だった。

当時のメニュー
しかし、契約上の問題から2019年2月24日をもって惜しまれながら閉店した。現在では、エアライングッズを取り扱う「フライトショップ・チャーリーズ」のみ継続して営業している。

錦爽鶏のチキンカレー(\1,380+税)
サービスドリンクとエアライン各社の機内誌

デルタ航空 成田空港41年の歴史が終焉



2020年3月28日、成田空港から1つの航空会社が撤退した。その名はデルタ航空。
デルタ航空の成田空港路線は元々ノースウエスト航空が持っていた路線を2010年1月30日の合併に伴い移管したものだ。

成田空港第1ターミナル (2007年10月)
かつてのノースウエスト航空は成田空港の開港時に積極的に投資を行い、成田をアジアのハブ空港としようとしていた。これは当時、太平洋を無着陸で横断出来る機体は限られており、アメリカ本土より直行便をアジア諸都市に出すよりもアジアにハブ空港を設け乗り換えるといった以遠権フライトを設ける方が効率的だった。
その為、デルタ航空との合併後の2010年には最大となる25路線を有していた。因みに以遠権フライトは当時、格安チケットの代名詞であり筆者もよくお世話になっていた。

成田-グアム便 (2007年8月)
しかし、そんなデルタ航空と成田空港の関係にも暗雲が立ち込める。
1つは2008年羽田空港の国際線再開。再開当初は路線ごとに割り当てる発着枠が少なく、外資系航空会社に割り当てられた少ない発着枠をライバル会社同士で奪い合う格好となった。これに対し成田空港にハブ機能を持つデルタ航空は当然反対した。

また、航空アライアンスの問題もある。デルタ航空はスカイチームと呼ばれるアライアンスに加盟しているが、日本の航空会社で加盟している航空会社は1つもない。即ち日本の国内線乗り継ぎ客の需要は見込めない。

合併後デルタカラーに塗装されたB747-400 (2016年8月)
2つ目はボーイング787やエアバスA350といった中型機でありながら長距離路線もこなせる飛行機の登場が機材の小型化と直行便の需要増加を導いた。

結果、デルタ航空は羽田空港に路線を一本化する事を決定し、アジアのハブ空港としての機能は韓国の仁川空港に移管する事になった。しかし、かつてノースウエストが造った成田空港の整備工場は「成田テクニカルオペレーションセンター」の名でアジアの整備拠点として今後も活躍する予定なので、今後成田空港に飛来するデルタ機がゼロになるわけではない。

引退目前のデルタ航空B747-400 (2017年10月)
筆者にとって思い入れのある航空会社だったので長々と書いてしまったが、今回の羽田空港への一本化は成田空港における1つの時代の終焉を意味していると思う。名残惜しいがこれも時代の流れだろう。

あとがき


2020年の春はコロナウィルスの国内感染拡大と言う最悪な迎え方をしてしまいましたが、いつの日にかこの災難が去り再び自由に行き来ができる様になった際の参考になればと思い書いています。皆様が健康で健やかな日々を送れますように祈っています。



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